不思議な光Ⅱ

のんびり農民

2013年11月23日 23:29


夜は、光が不思議な姿を見せてくれる。

ある夜、フェリーが僚船とすれ違った。
あたりは海も空も真っ暗だ。
そのなかに小さく光っていた点が、
グングン近づいてきて、幻のようになった。

フェリーの客室の光が、水面に反射している。
その反射光に照らされて、フェリーの白い船体が、
ボワーッと闇に浮いている。
しかもそれが、かなりのスピードで近づき、すれ違い、遠ざかって行った。
なんとも不思議な、あっという間の出来事だった。


船首側の客室からも、不思議な光景が見えた。
遠くにボヤンと、黄色い町の光が見える。
その手前は、全部、暗い海だ。
地球が丸いせいか、真ん中が盛り上がって見える。
その海の上を、霧か湯気かモヤか、判別できないものが動いている。

夜の海は怖い。
怖いけれど、「怖いもの見たさで」見とれてしまう。
その怖い海を、フェリー君は勇敢にも、ズンズン進む。
これがまた、頼もしい。

海の上には、昼とは全く違った、夜の顔がある。
われわれの先祖・渡来人たちも、
小さな、丸木舟のようなもので、勇敢にも、
この暗い、広い海を渡ったのだろうか・・・・。





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